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「九十歳。何がめでたい」を読んだ。 [本]


九十歳。何がめでたい

九十歳。何がめでたい

  • 作者: 佐藤愛子
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2016/08/01
  • メディア: 単行本



九十歳。何がめでたい

九十歳。何がめでたい

  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2016/08/06
  • メディア: Kindle版



題名からして、おばあちゃんに電車で席を譲ったらキレられたみたいな感じなのだが、まぁ歳を感じるエッセイ集です。そういう人に限って、そこまで長生きしたくねーわなと言ったら、それはそれでキレられる気はするんだけれども。まぁ女の人に歳のことを言わないほうがいいってことだ。

連載されていた雑誌が女性セブンといういわゆるゴシップ女性誌なのだけれども、もう少し固い雑誌に載ったエッセイだと思っていた。というか、年寄りあるあるが通じるような人たちがああいう女性誌を読んでいるのねとちょっと驚いた。もう少し年齢層は若いんじゃないかと思っていたのだが。確かに皇室が何とかいう話題も多く載っていたりするもんね。分からなくはない。

正直、おばあちゃんの老化中心の独り言という感じなのだが、正直おばあちゃんの割に芯が強すぎて読んでいてちょっと厳しい感じではあった。想像の部分が多くてこのおばあちゃん大丈夫かなと思うこともあるのだが、それはフィクションを書いていたってことなんでしょう。

文字が大きくて全体もそんなに長くないというところで、宗教本と似たところがあるけど、内容的には雑話というか一般世間の文句であるので、まぁ一般的なエッセイ本であろうとは思う。ただ90歳にもなってよく書けるなという気持ちはある。なんて言うと怒られそうな勢いではある。

年寄りの書くことだからなぁと許せるものと、それは一般的にも違うでしょうという事が混ざっていた。正直、心が広いのか狭いのか分かりかねるところがある。とにかく文句を言いたい感じなのはわかった。本を読む対象は六十歳以上の年齢がいった人なんじゃなかろうか。少なくとも若い人が読むものでもない気がする。

こういったエッセイ集を読むと、その人のセンスが問われるのがよくわかる。まぁ小説だってそうなのだが、みんなが共感したり笑ったりする範囲をどうやって持ってくるのかという才能がかなり難しいのではないのか。そういった意味では、さくらももこのエッセイ本は優れていたんだなと非常に感じる。ちびまる子ちゃん自体がエッセイマンガっぽいのだが、やはり才能と言っていいレベルのものだったのだと感じる。みんなを捉えるレンジが広いと言うか、バカさ加減が受け入れやすいと言うか。


読んでいるうちに内容が個人的なものにシフトしてきて、それは序盤のエッセイよりも悪くなかった。たまにクスリと笑える場面も少しあった。これも直木賞を取れるくらいの実力があるからなんだろうなと納得はした。本を読んでいたら、親に「なんだ、佐藤愛子の本なんて読んでいるんだ」と言われ、そこそこ有名な人だとそこで発覚した。もともと気が強い人なのは知られているみたいで、それがそのまま本に出ているのだなと思った。

まぁそもそもこの本を手に取ろうと思ったのは、TVCMでやっていたからなのだけれども、それも親は知っていた。新聞で見たこともあると言っていた気がするので、結構大々的にCMを打っていたようである。最終的に面白い本かどうかという話になると、90代の人が書いた割には芯が通っているし、90代という年にに対する人生の教訓めいたものはあまりない。軽くサクッと読むには悪くない分量で、何か片手間にやっていても影響が出ないレベルである。

ただ批評の精神としては、ネット民と同様ものもがあるなと感じる。もちろん年齢による偏りはあって本質的に違う気はするんだけれども、ああだこうだいう魂は若い人よりかあるようだ。すぐに読めてしまったので年老いた母に渡した。母なら同調するところもたくさんあることでしょう。

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伊坂幸太郎の「チルドレン」を読む。 [本]

伊坂幸太郎は読みたいと思っていたのだけれど、今まで読まずにいた。オーデュボンの祈りを買って、半分ぐらい読んでどこかにやってしまった気がするが、案山子が話すという突拍子のなさでも飽きてしまったのかもしれない。

さて、「チルドレン」の話だが、いわゆる子供は出てこない。これからはネタバレというか内容を出してしまうので、これから読む人には向かないのでそのつもりで。新しい本ではないけど、年代を気にしないものになっているのでいつ読んでもいい感じ。軽快に推理小説を読んでいる感じがしてオススメです。

チルドレン (講談社文庫)

チルドレン (講談社文庫)

  • 作者: 伊坂 幸太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/05/15
  • メディア: 文庫



チルドレン (講談社文庫)

チルドレン (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/05/15
  • メディア: Kindle版



五つの短編をまとめた本で、雑誌に出た時はあまり繋がっていなかったみたいだけど、単行本化のために加筆というか変更したらしい。そのために続きの話としてスムーズに読める。大体、短編集というものは細切れが多いのだが、これは一つの長編小説としても読める。

ガンダムがシャアを軸にした話であるように、チルドレンは陣内クロニクルみたいな感じになっている。それぞれの話では主役じゃないのだが、話のスジ的にいなくてはならない人物というか、サブ主人公というか、そういう役割になっていた。陣内という人はめちゃくちゃな人で、話を引っ張っていく原動力いなっていた。


・バンク

銀行強盗の話。盲目の青年が問題を読み解く。おぉこれは推理小説みたいではないか、と思ったが、それは後の「レトリーバー」にも通づるところがある。よくできた話であるが、このくらいのレベルのカラクリで長編小説をダラダラと続ける輩がいることに愕然とする。このくらいの短さならもったいぶる感じがなくてすごくいいと思う。推理小説で散々引っ張っておいて、それがタネかよというものが多いんだよなぁ。

・チルドレン

本の題名である、本命であろう話。法律上の大人でないという意味でのチルドレンということなんだろう。バンクで出てきた陣内さんが年を食って出てくる。一般的に誤解されて使われている言葉であるいわゆる「破天荒」キャラなのだが、今回もめちゃくちゃである。まぁ解決法として真似するにも真似できないところはあるよな。

家裁の調査員という非常にニッチな職業の話なのだが、参考文献がきっちり書かれていて想像だけの話ではないのがわかる。どこかの日本の歴史を書いているハゲが参考文献表示せずにパクリを繰り返していたのを考えると、これが普通の文章を書く人の行動だよなぁと無駄に感心してしまう。

家裁に来た親子の挙動がおかしいのが種明かしされるわけだが、家裁に来る親子なんてこんなもんかと思ってしまえたところが非常にうまい。推理小説的な部分として考えるなら、全部詳細を晒した上で納得できる意外な事実というのはとても納得がいって気持ちがいい。ほぼ隠して最後にネタばらしとかされても、それって推理小説って言えるの?ってのがあるから、こういうのはやっぱりすごく潔い。


・レトリーバー

今回も陣内がめちゃくちゃである。自分が告るところを見に来てくれと盲目の永瀬に来させる時点でおかしいのだが、カポーティの言葉を借りて、自分が振られたから世界が止まっているとさらにめちゃくちゃな主張をする。今回も永瀬の推理が冴えたわけだが、盲目だからといってそこまでクレバーな人がいるとは思えないんだよなぁ。ともあれ、陣内と永瀬の世界の異常さを嗅ぎ取る能力は素晴らしいものがある。そしてネタあかしは今回も面白かった。この短さでネタを捨てるように使うのは豪華と言えるべきなのかもしれない。


・チルドレンⅡ

チルドレンの人事異動したちょっと後の話。陣内さんが珍しくまともだった。今までがまともじゃないから、今度は何をするのかと期待したがまともすぎて拍子抜け。そういう緩急も伊坂幸太郎のうまさが光る。今までの話に比べて、パッとするところが特になかったけど、離婚調停と少年の非行を絡めて順当にうまい話になっていた。


・イン

インって何かと思ったら、着ぐるみの中にインだったわけですね。他にインしていたところはなかったと思うけど。永瀬目線で語られていたので、推理部分が目新しい気はした。目が見えないんだから、陣内が頭をとって外で休憩しているなんて思いもつかないよなw。子供に犬と言われている陣内がすごく笑えた。着ぐるみにビビっていた犬にも笑った。最後にふさわしい楽しい話で締めくくっていた。読後感がいいね。最後に親父を殴りにいくところも素晴らしいw。


そんなこんなで、サクッと読めた。他にも伊坂幸太郎の本を読もうかなと思わせた本でした。

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本が速く読めない。 [本]

よく速読術とかまことしやかに宣伝が載っている時期があったけれども、あれは一般的ではなかったのか最近目にすることがあまりなくなった気がする。そこまで速読術を身に付けたいわけじゃないんだけど、もう少し速く読みたいという希望はあって、それが今まで果たせずにいる。

まず集中力が続かないのが一番にあり、さらにそれが災いして量もこなせない。そんなわけで借りてきた本も返却期日ギリギリになって返すことが多い。

まず読むのにノイズがあると非常に気になってしまう。そのノイズは音にしろ周りの景色にしろ、イレギュラーなものであったりすると余計気になってしまう。逆に言うと、それらがないところであればわりとスムーズに読み進められる。静かで単純な風景があるといいということだ。

でも、家にいると大体乱雑でうるさい場所であることが多く、正直あまり読書に向いている場所ではない。子供にリビングみたいに多少生活音のする場所で勉強させたほうがいいということがあるらしいが、それは発達障害ではない健康優良児に当てはまることであって、発達障害グレーゾーンの私どもにとってはあまりいい場所ではない。

同じく、音楽を聴きながら勉強するというのもあまり得意でない。好きな音楽であればそっちの方に気を取られてしまい、やっぱり集中できないことも多かったりする。どうでもいいBGMとかならいいのだろうが、音楽を聴くということに真剣な人間だったりするので、中途半端なことをしたくない気もする。

ちょっとした雑音があったほうがいいとはいうけれど、それも程度問題ということだと思う。それと静かなのもあまりに静かだと定常運転ではなくなるということなのだろう。まぁ図書館が静かなのは当然のことなのかもしれない。

読む速度を変えることは難しいので、いかに静かで変化の少ない場所で時間を拘束できるかということに尽きると思う。

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異世界ものが多いのは現実世界に愛想を尽かしたからなのか。 [本]

ラノベやそれを元にしたアニメでは異世界ものが花盛りである。まぁ異世界ものは昔からあるのだが、現実の世界から転生なり転送なりされて、というパターンが多く、初めからファンタジーの世界にいるという設定よりか多い気がする。

ファンタジーではその世界の説明が面倒くさいのもあるのだが、現実目線で差異を見ていくのは最初から説明されるかったるさが少ないのかもしれない。

問題なのは、案外現実世界で死んじゃって異世界で転生して現実世界の知識が案外役に立ったという話が多いところ。最初から死ぬという話はそもそも病んでいるとしか思えないし、それが支持されるラノベなどの読む年齢層などが心配になってしまう。現実の知識が役に立つというところも、現実には役に立っていないということの裏返しなのかもしれない。

その話が現実問題として、早く死んでしまいたいと死んでしまうことは少なくても、こんな現実やめてしまいたいという願望があるのではないかと思うのも間違いじゃないだろう。じゃなければ、こんなに判を押したようなジャンルとして確立するとも思えないのだ。

転生で死んじゃった後の話じゃなくても、異世界に転送されたとしても元の世界に戻るんだ、という話は少なく、そのままそこで生きていたいというものが多い気がする。結局、どちらも現実世界を捨てたいという願望のようだ。

今も昔も若者が死に直面することはあるのだろうけれど、娯楽作品にそういう傾向があるのは健康的と言えないんじゃないかと思う。なんでも真剣に思えってことじゃないけど、楽しむ時にはそれなりのやり方があるでしょうよと。夢見てばかりではいられないのは、ニートの高年齢化なども関係しているのだろうが、こういう作品ばかり出てきてしまうのは社会構造が病んでいるとしか思えないのだ。

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「横浜駅SF」を読んだ。 [本]

ちょっと前に話題になっていた「横浜駅SF」を読んだ。最初はとんでもSFかなと思っていたが、サクッと読めて論理的な辻褄が合っていて読みやすかった。ともあれ最初に感じていたトンデモ感はずっと続いていたわけだが、読者を飽きさせないという点においてはなかなか悪いものではなかった。

いつまで経っても改築工事が終わらない横浜駅を揶揄して本作品は誕生したのもあるのだろうけど、横浜駅が自律的に日本全土(一部除く)を覆うというちょっと荒唐無稽な話ではあった。

確かに横浜駅の改築の継続はずっと続いていた。ここ20年の変化は、みなとみらい線への対応と南口、北口の増設なんだろうなと思う。個人的には南口と西側の一度上がらないといけなかった部分のショートカットがありがたかった。

横浜駅は最寄りの大きなハブステーションであったが、横浜駅周辺自体あまり用がなかったので、予備校に通ったぐらいがよく関わったことであった。正直コンパクトな街ではなかったし、その割には店が特に充実したわけではなかった。服とか食べ物を買いに行くには悪くないのかもしれないけど、自分の興味としてはあまり当てはまらない感じであった。本屋は微妙に小さめだし、パソコンのパーツショップはドスパラしかないし、パソコンの自作がわりと流行った時も量販店が追随したが微妙な品揃えだった。

そんなわけで横浜駅にはあまり思い入れはない。やたら人がいて人が減らないかなと思っていたぐらいで、通常の通路と乗り換えの道が重なっていたりして非常に不快であった。何にしても人が多いと疲れるのだ。

ともあれ、そういう増築というか改築が永遠に続いている感じが本作品の通底した前提となっている。構造遺伝界というのがこの冒険物語のキモとなっていて、それを利用したり壊したりして話は進む。自律的に増殖する上に破壊するのが困難というところが話に面白みを出している。まぁよく考えればコンクリート様の構造物が生えてくるということ自体ありえないわけだが、まぁそこはSFとして受け入れるしかない。

ただ全体の話がよく練られていて、JR北日本とJR福岡の兼ね合いがなかなか面白い。それらと主人公の関わり合いがあまりにも偶然すぎて、そこはもう少し必然性が欲しかったのだが、この短い話の中で円滑に話を進めるには仕方なかったのかもしれない。実質的には5日間の話なのだが、それだけで基本的に終わってしまうので、コンパクトに収めるためには偶然に頼るか、もう少し必然性を加える必要があったかもしれない。

実質的に読むのに一週間ぐらいかかったが、読むのが速くない人でも2、3日でいけそうなライト感はあった。その割には設定が細かかったりするので満足感は十分にあるだろう。現状のテクノロジーの延長がかなり効いてきたりはしていたが、そういう前提知識はSFには当然のことなんだろう。というか、今の常識からあまり離れすぎていると想像しにくいのはあるだろうから、逆にあまりに突飛にはしないのがSFの現状なのかも知れない。


SFとかは感想文が書きにくい。そこそこ時間は経っているのでネタバレしてもいいかとは思うのだが、ネタバレ部分が根幹部分でもあるので、推理小説とかと同じ様にやっぱり書きにくいところがある。なので、詳しいことは書けないのだけれど、わりあいよく考えられて書かれているので、トンデモ感は思ったよりも薄くなっている。それとあえて題名に「SF」と入れているところで先入観があって、イロモノ感もすんなり受け入れられるところはあった。

ネタバレ的なことを書くと、あとがきに「横浜駅は永遠に完成しない日本のサグラダ・ファミリアだ」と揶揄されるが、「常に工事が行われている状態」頃が完成形とあり、妙に納得した。生物の挙動と同じで完成に向けているための途中過程ではなく、流動している状態自体が完成した状態なのだと。


横浜駅SF (カドカワBOOKS)

横浜駅SF (カドカワBOOKS)

  • 作者: 柞刈湯葉
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2016/12/24
  • メディア: 単行本



横浜駅SF【電子特典付き】 (カドカワBOOKS)

横浜駅SF【電子特典付き】 (カドカワBOOKS)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 富士見書房
  • 発売日: 2016/12/24
  • メディア: Kindle版



マンガもあるらしい。映像化は難しいとは思うんだけど、すでに挿絵等で基本はできているので何とかなったのだろう。

横浜駅SF コミック 全3巻セット

横浜駅SF コミック 全3巻セット

  • 作者: 新川権兵衛
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2018/11/01
  • メディア: コミック



横浜駅SF全国版というのもあったので、機会があったら読んでみようと思う。

横浜駅SF 全国版 (カドカワBOOKS)

横浜駅SF 全国版 (カドカワBOOKS)

  • 作者: 柞刈湯葉
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/08/10
  • メディア: 単行本



横浜駅SF 全国版 (カドカワBOOKS)

横浜駅SF 全国版 (カドカワBOOKS)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 富士見書房
  • 発売日: 2017/08/10
  • メディア: Kindle版



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「スタンフォードの自分を変える教室」という本を読んだ。 [本]

いわゆる自己啓発本とかは嫌いだ。何かをやるための方法とか、方法論とか、How toの本なら技術書とか幾つでも買った。でも、やり方のやり方というか、メタ的な人生のうまくやり方、みたいなのは宗教本と大して変わらないと思う。

大体が自分の意識を根底から変えないといけないとか、それをやったら自分じゃなくなるみたいな方向転換を強いるものも少なからずあるみたいだ。第一、自分の生活スタイルを変えなきゃいけないほどの変革というものは今までを否定することにもなるので、それが失敗した場合は目も当てられないだろう。元に戻るのさえ困難になりかねない。宗教にハマって戻れない人はいくらでもいるだろう。


ともあれ、比較的に科学的っぽい本を選んでみた。著者がスタンフォードでPh.Dを取った心理学者ということだが、心理学とか社会学とかあまり信用していない。というか、人文科学は基本的に信じていない。2012年の著作みたいなのでそんなに昔の本でもない。ヨガとか統合医療の専門誌を編集しているロハス女というところか。

題名がThe Willpower Instinctで、直訳すると「意志力の本能」というところか。副題はBased on a Wildly Popular Course at Stanford Universityで、「スタンフォード大学の超人気コースに基づいてます」ということらしい。「スタンフォードの自分を変える教室」という邦題は意訳だけどそこそこ外れてはいない。原題と全然違う邦題の本多いからねぇ。特攻野郎Aチームくらいの違いしかないかな。シンディー・ローパーが怒るほどの程度ではない。


内容としてはわりと科学的だ。心理学と言ってもマウスの実験の話とか、実際に比較実験とかをしているのでわりかし信用できそうな結果が報告されている。

全編、意志力のことについて書かれている。「やる力」「やらない力」「望む力」と三つに分けられていて、意志力という言葉の他に、自己コントロールという言葉も頻繁に出てくる。自己コントロールという響きがちょっと怪しい気もするが、実際自分をいかに意図する方向に持っていくか、という話だったと思う。

それに伴う妨げになるストレスや環境的な傾向がたくさん並べられていて、これじゃぁ意志力も発揮できないのも頷けるよなと再認識した。ダイエットとか一般的な課題が例に挙げられていてわかりやすい。個人的には大脳新皮質の話とか、ドーパミンの報酬システムの理論などは、自然科学的に面白い話であった。正直、心理学なんて空を掴む話ばかりしているものだと思っていたが、別にそういうことでもなかった。


スタンフォードの自分を変える教室 (だいわ文庫)

スタンフォードの自分を変える教室 (だいわ文庫)

  • 作者: ケリー・マクゴニガル
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2015/10/10
  • メディア: 文庫



図解でわかるスタンフォードの自分を変える教室

図解でわかるスタンフォードの自分を変える教室

  • 作者: ケリー・マクゴニガル
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2014/05/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



スタンフォードの自分を変える教室 スタンフォード シリーズ

スタンフォードの自分を変える教室 スタンフォード シリーズ

  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2012/10/18
  • メディア: Kindle版



何かを成し遂げようとすることに困難を感じる人にオススメかもしれない。世の中にはそんなに「石のように硬いその意志で」っていう感じの人は少数派だと思うので読んで損になることはないものとは思うのだけれど。

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驚くほど飽きっぽいのは治らないものか [本]

飽き性である。漫画すらあんまり面白くなかったら途中で放り出してしばらく放置ということもしばしばである。マンガですらこれなので、活字の本なんて時間と労力のかかるものでは、相当興味が続かない限りは通読するのが難しい。

友達が図書館で借りた本を読まずに返した、という話を聞いてまだ自分の方がマシなのかなぁと思ったりはした。でも、やっぱり興味が続かないというか、飽きるのはれっきとした事実ではあるので、なんとかしたいことの一つであったりはする。

一般書とかも買って満足してしまうところがあって、とりあえず手にしてしまうと安心して読まなかったりする。興味の糸というか緊張がふつと切れてしまい、後でも読めるからと放置して目の見えないところに行くと忘れてしまう。

なので、時間が限られている図書館で借りることも多い。特に実用書とかではなくて、小説などの一般の人が多く読む娯楽のものについては、借りて限られた時間のうちに読むことが割と重要だったりする。時間が限られているため、無理にでも読む時間を割く。買ってしまうと油断していつまでも読まないこともある。続けて読まないと後戻りしたりして効率的に本を読めないということもある。


あと問題なのは買っちゃうと場所をとること。以前、断捨離という言葉が流行ったが、本が捨てられない。売ってしまおうと思ってはいるけれども、どうせ二束三文でブックオフの資金源になるだけだし、なんかチリ紙交換に出してしまうのも何となく気がひける。

一番ダメな思考がいつかまた読むかもしれないと思っていることだ。大体はほとんど読まない。わかっているけど、捨てる気にはならないのだ。画集とかは特にコレクションとして買っているので、後で図書館でというわけにもいかないし。こんまりのときめくなんとかとか、やるか? なんというか、おじさんがときめくとか気持ち悪いことこの上ないのだがw。

とりあえず、惰性で読んでいた続き物のマンガは捨てようかと思う。本当に好きなもの以外は再度読むこともないだろうし、今なら電子書籍で出ているものも少なくないし。ただ一度買ったものを電子書籍で買い直すっていう行為が許せるかどうかは微妙なところではある。

やっぱ本であふれているというのは生活空間を圧迫するし、見た目もあまりいいものではない。混沌とした空間は整理された空間よりも精神に悪影響があるとも聞くし、何かを取り出す時にも物が少なく整頓してある方がいいに決まっている。今はわりと自由な時間を取れそうだし、ちょっといろいろ改善できるところはやってみようかと思っている。まずは要らないものを捨てるところからやりたい。

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なんつーかクローン作品作ってんのか? [本]

異世界に転生だとか、異能の力を持っているだとか、ネトゲの中に閉じ込められるとか、昨今のアニメやラノベはそんなのばっかしだな。一つの大きな流れだとしても、そういういかにも何かの後追いみたいなのはどうにかならんかと思うのです。

ともあれ、自分が消費するだけで何かを生み出していないことに悲壮感を覚えないわけでもないのです。同じようなものを作っているにしても、何かを生み出していることに違いはないので、そこで消費するのと生産するのとでは大きな違いがあるのではないかと思うのです。

それまでソフトを改造してOSSとしてリリースしたりしていたのも飽きてしまいやっていないし、新しいことにチャレンジできているわけでもない。まぁ初老も過ぎて新しいこととか言っている場合じゃないのも確かなのだが、自分が納得できることをしたいじゃないですか。

今は続けていることもきちんとできていないので、それを整理しつつ新しいものを作り出すことに尽力したいと思う。やってはいるけれども、最終的に世に出ていないので、どんな形であれ完成させてみることが大事なのではないかと。人生も半分を過ぎたのだろうから、総決算じゃないにしろ何かやろうぜ、と。


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「君の膵臓をたべたい」を読んだ。 [本]

海外にもっていくときに、ホラー小説だと勘違いされたらしい本作。劇場アニメ化されたと思っていたらまだだった。実写映画化は先にされてるんだね。原作となる小説を読んだのだが、文章に多少難はあるがそこそこいいお話というところ。映画見に行く人にとっては害にしかならない、今回もネタバレ感想いきます。


君の膵臓をたべたい (双葉文庫)

君の膵臓をたべたい (双葉文庫)

  • 作者: 住野 よる
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2017/04/27
  • メディア: 文庫



君の膵臓をたべたい

君の膵臓をたべたい

  • 作者: 住野 よる
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2015/06/17
  • メディア: 単行本



不覚にも泣いてしまった。まぁ恋人が亡くなる話で泣かないわけはない。死んだ後とか別れた後にいっぺんに相手の心情を知るってのは割とありがちな泣かせテクかもしれない。全く感動しないと言ったら嘘になるが、どうにも不完全な部分があるのも否めない。文章に多少引っ掛かりがあるようだ。

主人公の名前が【秘密を知っているクラスメイト】とか【仲良し】で伏せられていて鬱陶しい感じなんだけど、名前を最後まで引っ張っていくほどの面白さがあったかというとそうでもない。実際、実写映画ではあっけなく本名を明かしてしまったらしいし。まぁそれも読んでいるうちにそれほど鬱陶しくなくなる。最初はゲームの名前を入れるところを想定しているのかなと思っていたがちょっと違った。ともあれ、見た目以上にそんなに重要なギミックではなかった。

あと状況の比較でどうしても納得できない記述があって気持ち悪かった。やっぱり一般読者に納得できないようなことは、前もってこれは自分が考えていることで一般的じゃないけどって断っておかないと違和感ばっかりが立ってしまう。「てにをは」程度は当たり前に校正すべきだけど、そうじゃない論理整合性ってのもある程度保たないと読んでいて安定感が出ない。読んでいて気持ち悪くなってくる。少なくとも共感は得られない。

それと主人公が本ばかり読んでいる人を遠ざける暗めのキャラなのにもかかわらず、ヒロインと話すときには非常にウィットにとんだ話し方をする。普段人間づきあいを避けている人間はそんな気の利いたことを言えないものだ。そんなの村上春樹の小説に出てくる主人公だって無理な話だ。特に異性に対してはさらに普通に振る舞えるとはとても思えない。コミュニケーションなんて日ごろの鍛錬があってこそのもので、その最たるものではないだろうか。そこのところ、やっぱりフィクションなのだなと感じてしまう。

それ以外はなかなかいいものであった。共病文庫という設定は本の主軸をなしていていい仕掛けになっていたし、ヒロインの妙に明るい性格は死に至る病気の裏返しだという事もなかなか良かった。妙に明るすぎたと思っていたが、家族には必ずしもそうではなかったのを見て、ヒロインもただのあほの子じゃないのだなとちょっと見直した。まぁ一年以内に死ぬと知らされて、明るさをずっと保つってのは周りを気にする子だったとしても無理がありすぎるし。

女の子とハグするのはちょっとほほえましい感じだな。まぁ若い身空でハグだけで止めておくことなんてできないのだろうけど、死んじゃったらしょうがないよね、という事で。死んじゃうんなら避妊気にしないでいいじゃんというのは男の言い分なんだろうな。というか、男女の仲よりも深い仲であることを共病文庫で知らされるわけだが、青春的な小説としてはこれでいいのだろう。

アニメ映画化して夏休み後にやるわけだけど、内容としてはそこそこ面白いかな。アニメ化するときに乗り越えるべき描写があるわけだけども、漫画化されているわけだし普通にできるんだろうとは思う。しかし、小説の漫画化というのはいつも眉に唾を付けて見ないといけない。あまりにグレードダウンしたものが多いからだ。というか、すでに売れている原作を元に描かないといけない人間に大したものが描けるかと言われれば微妙なところだ。

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本を読むのは好きじゃないんだけど読む。 [本]

本を読むのは得意じゃなくて、すぐに飽きて放り出してしまう。読みにくい本などは本当に即決で読まなくなってしまう。それでも高かったり、読んですぐ返さなければいけなかったりすると、苦労をして無理に読んだりする。だからいろいろ無駄にしないために借りれれば本は借りて済ますようにしている。というか、本は買ったまま売らないし捨てないので部屋にたまっていってしまうのもある。

元々飽きっぽい性格なのもあるが、本は読むのが遅い上に楽しんで読めない。小説一冊を二三日でサクッと読んでしまう人がいるが、本を娯楽として読む事が基本的にできない。マンガとかならまだそのノリで半日で読んでしまうこともあるが、それだって一気に読んでしまうことは少なかったりする。

なんだか色々な事が楽しみではなく、やらなくてはいけないことになってしまっている気がする。食事も睡眠も本来楽しいし、楽しくないわけじゃないけど、日々のルーチンとして行なっていかないといけなくなってしまっていて、本来の楽しさというのがなくなってしまっている。

させられ体験ではないけれども、どうにも自分から能動的に行っていることで人生が成り立っている感じがしないのだが。それはもしくは常識に従って行動すればみんな普通にやっていることなだけなのかもしれないが、それを自分の意志でやっている気が全くしない上にやろうという気がしない。

チキンラーメンのぐで垣さんのように何もしたくないというのが一般の人にもあるのが分かって、自分もいくらかまともなんじゃないかと思ってはいるが、そこは病人なだけあって病的さは磨きがかかっている。たぶん、親がいなくて何も言われなかったら病気が悪化してもうこの世にいないだろう。

生きるのを維持するために、投薬もしないといけないのだが、それを維持するのも結構しんどい。仕事とは別に休日に通院して薬をもらっているので、結局休みがとられてしまう上に外出してダメージを受けることもよくあることだったりする。ただ薬を飲むだけの投薬だけじゃないので、眠い時にはもうしんどくてやりたいとかやりたくないとかじゃなくほとんどできない。普通の人でも何もやりたくないという状況が存在するのに、その上で生命を維持するためのそこそこ重要なルーチンワークがあるというのは生きるのを困難にする。

人間の世界としては、生きる可能性があれば生かすという医療の方針なのだが、生かしといても絶対ポジティブに生きられないというのはいくらでもあるはず。そもそも病気自体がネガティブ思考を引き起こすものだから、それが治ったとしても一般的な人生の明るい展望がなければ、もし病気を完全に取り去ることができても意味がない。

そういう意味では、世の中は生かしとってもその人のためにならない生かし方をしている傾向がある。ガンなどの延命治療の拒否などのためにホスピスがあるけれども、他の病気に対しても延命治療してほしくない人はいると思うんだよね。生きるのを選択できる状態のうちに自分の生き死にを決めるというのはある意味ポジティブな生き方ともいえるんじゃないだろうか。生きるのをあきらめにもある程度、行政の補助が欲しいものである。だってこの先高齢化社会で医療費はどんどんかさんで金がなくなるんだから、そういう積極的な補助も欲しいと思うんだよね。

積極的に死にたいとは思ってはいないんだけど、生きていたところで面倒というかしんどいばっかりで、その先に明るい展望があるわけでもない。そういう状況ってのは重い病気を患っている人には多いと思うんだよね。変な宗教にお布施する前に国が救ってやらないとカルト宗教が蔓延るぞと軽く脅せば行政は動くんだろうか。そもそも行政の補助が完全に足りていればそんなことを考える人も少なくなるのだろうけど、そこまでの財源は日本にはないし、あったとしてもそっちに金を回すはずがない。

生きているのが楽しくないし、つらい、面倒くさい。面倒くさいというのも普通じゃなくて病的に何かをしたくない。それは人間の根本的なところにあるのかもしれないが、自分で死ねるほどの切迫性も積極性もない。死のうとしたところで中途半端に植物状態になってしまうなどのひどい状況は絶対に避けたいし、今よりも苦しい状態には絶対になりたくない。何か生きていることを実感できることってないんだろうか。それも病気に触らない程度で、日々を生きる事を肯定できるような何か。

そんな状態でも無理して本は読む。嫌な事を少しでも考えられないように。

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