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バケモノの子、面白かった。 [アニメ]

テレビで早々とやっていたので、バケモノの子を録って見た。正直あまり期待していなかったけど面白かった。興行収入が云々という話はあまり好きじゃないんですよね。それまでの作品の期待度が入った数だから。


細野監督の作品は「おおかみこどもの雨と雪」からで、デジモンとか知らねーと思ってたら

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%B0%E7%94%B0%E5%AE%88

時をかける少女もそうだったんだと知った。ならそっちの方が先だな。彼の作品には腑に落ちる部分が多くて、普通はすっ飛ばして描かない部分が書かれているところがすごい気がした。サマーウォーズはそれほどでもなかったけど、おおかみこどもはすごいなと思った。

現実にファンタジーを持ち込むことの面倒さを積極的に取り入れている。子供を守るためにいろいろしていくわけだが、現実にある手続きがファンタジーの奇異さを入れ込もうとするとどうしても山奥に逃げないとダメってところは素晴らしく現実を取り入れたところであった。

どこかの誰かが、女手一人で子供を育てていくのなんて無理だから、親元に帰るのが普通だよねとか書いていた。でも、恐らく国立の大学に一人暮らしで入っていた時点で、親とは少し疎遠であることがわかるし、見ていてたぶん親がいないか死んでるなと思わせる描写があった気がした。というか、そういう手があったんなら使っているだろうし、なぜ子供と三人で田舎暮らしをしなくてはならないと想像させる余地もないのかと、現代の人間が考える自分の周りしか考えられない想像力に落胆した。親がいないとか援助がなくて大学に通っている人なんていくらでもいるっしょ。


これからネタバレになるけど、バケモノの子も長い間バケモノの世界でいたために、小学生から勉強していないハンデが描かれていた。格闘の訓練以外していない世界から戻って、漢字もろくに読めないなんてのは当然の話なんだけど、そこをきちんと物語の主軸として描いているのはすごい。普通なら適当にすっ飛ばしてしまうところなのに、あえてそれを持ち込むところがストーリーテーラーとしてフィクション作家として素晴らしいところであり鉄板なネタなのかもしれない。おおかみこどももそうだが、人ひとり生きていくのって、現実のそういうところを避けて通れないよな。

それにしてもショートカットの女の子がかわいいよな。細野監督の絵は嫌いじゃない。やっぱり絵が安定していると見やすいし、それはジブリにも言えることだ。監督自身はジブリにいかばかりかのコンプレックスがありそうだけど、そのあときちんとつながって作品を作っているからいいよね。

実際にある書物がちらちら出てきて、クジラの話が出てくるんだけど、監督が鯨好きなんだろうな。あと最終的に心の剣として主人公に取り込まれるんだけど、そこいらの伏線はそんなには上手くない。あえて後からつけた感じがする気がしたのは私だけだろうか。なんかとってつけたような感じがするんだよね。

ともあれ、心の闇を扱ったものとしては、分かりやすいものでマシな部類だとは思ってはいたけれども、剣と同じように具現化した方がわかりやすい。でも安っぽくなりがちで、グチャグチャ内面ばっかり描こうとするとエヴァみたいなある意味ダメアニメになる。エヴァは庵野監督が言っていたように衒学的ではあるので、そこに深い意味合いが含まれるように見せるのは割合簡単で、基本的に結論を出さずに考えるネタをたくさん提供するだけでいい。そうすれば見ている方が勝手に解釈するか、訳が分からないと放り出されるかどちらかである。

ともあれ、そこそこ面白かったバケモノの子。原作なしのアニメを作るのって大変だろうなと思う。だって当たるか外れるかわからない脚本を自分で書くんだよ? 怖くてそんな仕事なかなかできない。そして、頑張って作ったからと言って売れるものが作れる保証はない。そういう意味で原作なしのアニメ、それも劇場版を作るというのは、かなり博打だよなぁと思わざるを得ない。


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